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ウェル花夢の植物図鑑(2)いろはもみじ

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2017年06月07日

イロハモミジの翼果。プロペラのように飛べ

タカオモミジ(高雄楓、いろは紅葉、イロハカエデ、学名Acer Pallmatum、カエデ属)
開花:4~5月。写真は果実

 

日本で代表されるモミジが一般にイロハモミジと呼ばれる。
5月ごろ開花、6月には果実が二つの羽子(翼果)となり新緑の葉に美しく映える。

 

少しでも遠くに種の保存をしたいのか
プロペラのような羽子の形状はいじらしくも理にかなっている。
そんなところが、魅かれる植物のひとつである。

 

原色牧野植物大図鑑でも「タカオモミジ・別名イロハカエデ」となっている。
「高雄楓」は、京都の紅葉の名所・高雄(尾)山にちなんだもので、
カエデ類の園芸品種の大部分はこれから改良されたものという。
イロハカエデ(もみじ)の命名由来は葉の裂片の数え方によるもので
それを「いろはにほへと」と数えたことから「イロハ」となったとか。
紅葉で有名な日光いろは坂。数え方としてはもうとっくに死語で
「・・よたれ」のヘアピンははどのあたりになるかさっぱりわからない。

 

葉の切れ込みが深いカエデを「〇〇モミジ」
葉の切込みが浅いカエデを「〇〇カエデ」と呼ぶ、という説が通説のようだが
モミジの語源は、木の葉が赤や黄に色づくことの古語「もみず」からきたもの
カエデの由来は、葉形がカエルの手ににているところから音韻が転訛したという

 

奈良時代まではモミチと濁らず発音され、「黄葉」と書かれたが
平安時代以降になると「紅葉」と書くことが多くなったという。
鎌倉時代になるとモミジがカエデ類の総称になったということだ。

私たちの見える色の世界も、時代において大切にした色、美しいと感じる色
それころ色々感じ方がちがってきた。
どうしてモミジは赤・朱でなく紅なのか。
薔薇色、緋色、丹色、茜色、臙脂色、小豆色
福田邦夫著「色の名前507」を読めば色の世界が違って見えてくる。
こちらのサイトも面白い。→四万十町地名辞典サイト→地名文化財「白と黒」

 

植物も種の保存から、遠くへ飛びたい、鳥に運んでもらいたいと
種子の色や形が進化していたのだろう。
ウェル花夢のピラカンサスの赤い実も、冬となり雪が降るとそのコントラストに
鳥がいっせいに寄ってきてついばんでは、遠くへ運んで行ってくれる。

(20170607胡)

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